イングランド出身の画家、ロジャー・ディーンはヒプノシス、マーカス・キーフと並び、70年代から現在まで活躍している巨匠ともいえるジャケットデザイナーです。
プログレッシブロックバンドのジャケットデザインを数多く手がけ、特にイギリスのバンド「イエス」の作品が広く知られています。
ロジャー・ディーンの作風の特徴は、見たこともないような風景を幻想的に描き、東洋絵画の要素を持ったところでしょう。
父親が軍のエンジニアであり、香港などのアジア圏を転々としていたことによって中国の風景や絵画に影響を受けたと言います。
また、中国の水墨画や日本の木版画や葛飾北斎の浮世絵などにも大きな影響を受けたと語っています。
配色もとても美しく、グラフィックアートとしてとても魅力的です。
また、「テトリス」のロゴデザインやヴァージン・レコードのロゴデザインなども手掛けています。
「テトリス」のロゴはガイドラインが策定されており、2002年以降の作品にはロジャーディーンのデザインがほとんど使用されています。
元々工業デザイナーとして活動していたロジャー・ディーンですが、ガンというバンドのアルバム「GUN」のジャケットデザインを制作したことを皮切りに以後、ジャケットデザインを量産していくことになります。
イエスの4枚目のアルバム「こわれもの」のアートワークを手掛け、デザイナーとしての知名度が上がっていきます。
以後、イエスのジャケットを多く手掛け、ユーライア・ヒープやエイジアなどのバンドのジャケットも手掛けていくことになります。
また、1970年代にはイエスのステージセットも手掛け、ツアーにも同行していました。視覚面でイエスの世界観をサポートしていたのでイエスの第六のメンバーなどともいわれていました。
2008年に画集「Dragon’s Dream」を発表。
理想郷のような世界を描き出して、様々なイマジネーションを与えてくれるロジャーディーンの緻密な世界を感じてみてはいかがでしょうか。