デザインの現場で使用頻度が高い定番の欧文フォントをご紹介します。
使用するフォントによって、デザインのイメージが大きく変わってきますので定番フォントは抑えておきたいです。この記事では、実際にロゴなどで使われている使用例とフォントが持つ特徴をみていきたいと思います。
INDEX
Helvetica(ヘルベチカ)
Helvetica(ヘルベチカ)は世界中で最も使用されていると言われている欧文フォントです。1957 年に、スイスのエドワード・ホフマンとマックス・ミーディンガーによってデザインされました。
有名企業のロゴデザインに多く使用されているため、目にする機会は多いかと思います。
トヨタや、BMW、マイクロソフト、パナソニック、バンク・オブ・アメリカなど、数えれば、きりがありません。
Helvetica(ヘルベチカ)の最大の特徴は「分かり易い」ことでしょう。全ての人に分かり易く、そして美しさを兼ね備えたフォントですので、非常に優秀なフォントといえるでしょう。
Helvetica(ヘルベチカ)のデザインは癖のある特徴を感じさせません。
ですのでデザインの力を借りつつ、文言自体に意味を持たせることが出来ます。このような特徴から、ロゴや媒体のみならず、世界中の駅や役所、デパートなどでも広く使用されています。
Futura (フーツラ)
フーツラ (Futura) も、企業ロゴなどに多く使用されているフォントの一つです。フーツラ (Futura)は1923年にドイツのパウル・レナ―によって発表されました。現在でも世界中で多くのデザイナーが好んで使用しています。
丸みを帯びた幾何学的な造形は視認性が高く、丸みを帯びているため、可愛らしさも感じます。
また、文字自体が垂直対象にデザインされており、現代的な印象も持ち合わせ、時代に左右されない普遍性を感じさせます。
有名どころとしては、ルイ・ヴィトンや、フォルクスワーゲン、Supremeなどの企業ロゴがフーツラ (Futura)を元にデザインされています。フーツラ (Futura) は筆者も使用頻度が高いです。
DIN(ディン)
近年、よく目にするDIN(ディン)は非常に視認性が高いクールな書体です。
DINはドイツで生まれ、視認性が高く海外では公共の場で広く用いられている書体で、高速道路などの道路標識やマンホールなどに使用されています。
また、ユニクロのロゴやオリジナルフォントはDIN(ディン)をベースに作成されていることで有名です。
視認性が高いため値段表示などで日頃目にすることがあります。また、東京オリンピックのロゴマークでも使用されています。
DIN(ディン)は現在様々なバリエーションが発表されており、微妙なニュアンスの違いがあります。
使用する際はイメージにあったものを選ぶとよいでしょう。
Frutiger(フルティガー)
Frutiger(フルティガー)もサインデザインの書体として広く使われているフォントです。元々パリのシャルル・ド・ゴール空港のサイン用書体として1968年にアドリアン・フルティガーが開発。
デザインの特徴としては堅実で信頼感がある印象を持ち合わせています。
日本では東京メトロの駅構内サインとして目にすることが出来ます。
視認性を重視して作られた代表的な書体であり、現在でも根強い人気があり印刷物でも幅広く利用されています。
Avenir(アベニール)
Avenir(アベニール)は、Frutiger(フルティガー)の生みの親であるアドリアン・フルティガーが開発したフォントです。
特徴としてはどこか都会的で癖がないため、小見出しやロゴなどに使われることが多いです。
有名どころとしてはスターバックスのブランド書体として使用されています。
印象としてはフーツラ (Futura) にどこか似ていますが、こちらはよりスッキリとしているため本文などでも使用されることが多いでしょう。
また、2004年にリメイクされたAvenir Nextが発売され、微妙な斜体時の違和感が調整され現在はこちらが主流になっています。
Gotham(ゴッサム)
Gotham(ゴッサム)は非常に力強く、男らしさを兼ね備えたフォントです。
アメリカの大統領選挙でオバマ大統領がスローガンなどで使用され話題になりました。
元々はメンズファッション誌『GQ』用に開発されたフォントであるので、男らしさと力強さを感じさせます。
2002年に『GQ』の専売使用権が切れたため、様々な媒体で目にすることがあります。
鮮明な視認性でデザイン性も高いため、デザイナーに人気が高いフォントの一つといえます。
Trajan(トレイジャン)
Trajan(トレイジャン)は格式が高く、堂々とした優雅な印象があるフォントです。
古代ローマ帝国を統一したトラヤヌス皇帝のために作成された書体がベースになり作成されたと言われています。
大文字しかなく、小文字がありません。使用シーンとしてはロゴやここぞという見出しに使用されることが多いです。
皇帝のために使用されていたというだけ、格式が高い企業のロゴなどに使用されています。
ジャガーやチョコレートメーカーのGODIVAなどに使用されています。また、映画のタイトルデザインにも多く使われているようです。
Copperplate Gothic(カッパープレートゴシック)
Copperplate Gothic(カッパープレートゴシック)は1901年にフレデリック・ウィリアム・ゴーディが開発しました。
ゴージャスな印象を持ち、特徴としては一文字一文字がほぼ正方形のフェイスに収めることができます。
装飾的でありながら、Trajan(トレイジャン)ほど格式を感じさせず、幅広のデザインはどこかかわいらしさも感じさせます。
招待状や高級レストランなどでこのフォントは多く見られます。格式の高いイメージを彷彿とされるため、高級食材ブランドのDEAN & DELUCAやKIHACHIのロゴの書体として使用されています。
Gill sans(ギルサンズ)
Gill sans(ギルサンズ)は80年以上の歴史があるフォントですが、高級ブランドのロゴなどに使用されることが多いフォントです。
モダンでありながら、かわいらしさも感じさせ、デザイナー人気も高いです。
家電メーカーのフィリップスやロールスロイスなどのメーカーロゴに使用されているのが有名です。
彫刻家でもあったエリック・ギルによってつくられたので、骨格がはっきりとしており、どこか彫刻的なイメージも感じさせます。
Bodoni (ボドニ)
Bodoni (ボドニ)は1790年にイタリアのジャンバティスタ・ボドニが開発。
現在のBodoni(ボドニ)はフォントメーカーによって様々なタイプがあります。
Vogueのロゴで使用されているDidot(ディド)と似たような趣があり、優雅でエレガントなイメージがあります。
デザインの特徴として非常に強い印象がありますので、使用するシーンは限られてきそうですが、ファッション関係や、広告関係に広く使用されています。