昨今、「DIN」フォントが使われているデザインをよく目にするようになりました。有名どころとしては、佐藤可士和がブランディングを手掛けたユニクロ<UNIQLO>で使われているフォントは、DINをベースに作成されたものです。作例と共にDINフォントの魅力を考えていきたいと思います。
DINは1930年代にドイツで考案されたフォントです。元々は工業製品の型番などに表記するためのフォントを標準化するために作られた書体であり、「ドイツ工業規格(=Deutsches Institut für Normung)」の略称です。
DINは視認性が高く海外では公共の場で広く用いられている書体で、高速道路などの道路標識やマンホールなどに使用されています。
その後、クールで汎用性が高い特徴が注目され、1990年代頃からデザイナーの間で広く利用されるようになりました。
DINの種類
フォントメーカーによって様々なタイプのDINフォントが流通しています。そのため、ウェイト(太さ)や値段、デザインも微妙に異なります。日本では「DIN Next」「FF DIN」「DIN 1451」といった種類のものが、主流となっているようです。
作例で見るDINフォント
ユニクロ
ユニクロの一連のアートディレクションは佐藤可士和が手掛けています。
ロゴデザインはオリジナルのフォントを制作していますが、DINをベースに作られています。ユニクロのブランドコンセプトと、DINフォントが作られた過程が非常に似ていたため、採用されたと言われます。
世界展開に合わせ、カタカナ表記のバージョンも作られ、こちらはニューヨークのマンハッタンに住む人たちが日本製は「クール」と思われるようなロゴを目指したようです。
文章で発信する欧文書体は全て統一され、フォントの一新が行われています。
東京五輪2016招致ロゴ、エンブレム
招致ロゴ、エンブレム共にフォントタイプはDINが採用されています。現代的でクールなTOKYOのイメージに合っていますね
±0(プラスマイナスゼロ)
プロダクトデザイナー・深沢直人がプロデュースする±0(プラスマイナスゼロ)のロゴデザインの数字部分はDINが採用されています。数字表記も非常に可読性・視認性に優れているため、電話番号表記や値段表記によく使われるのも特徴です。
ポンピドゥーセンター
パリの美術館。サイトデザインのフォントはDINを使用しています。
WEBフォントが映えていますね。
DINを使った作例集I Love Din (I Love Type)ではDINの魅力が詰まっていますよ。
こちらも参考にしてみてましょう。