成功例から学ぶキャッチコピーの書き方

キャッチコピー

「お金で買えない価値がある」(マスターカード)、「きれいなお姉さんは、好きですか?」(パナソニック)、「そうだ、京都に行こう」(JR東海)、「Just Do It.」(ナイキ)…。
キャッチコピーはマーケティングの世界において、売り上げアップやブランド策定において非常に重要なファクターになります。
Webサイトの場合「キャッチコピーを見て、2.5秒でその先を読み続けるかどうかを判断する」ともいわれています。
キャッチコピーの成功例を見て、書き方を学んでみましょう。

イメージを作るために書かれるイメージコピー

コピーを書く際、大きく2種類に分けることができます。

「イメージコピー」「セールスコピー」です。
イメージコピーはブランド設計に用いられるコピーライティングです。
聞きなじみのある、いわゆる「キャッチコピー」をイメージするのはこちらの部類でしょう。製品やサービスのイメージやブランドを形作るために書かれます。
イメージコピーは消費者に対し、直接的に購買に直結させる目的として書かれるものではありません。その名の通り、イメージを形作るものですから消費者に対し継続的に記憶に残るようなものにしなければなりません。
ハッとさせるような印象に残るコピーライティングの技術が必要ですので、後述する「セールスコピー」よりもクリエイティブな作業になります。例を挙げてみてみましょう。

◆そうだ。京都へいこう。

誰もが聞いたことがある、JR東海のコピーです。
「そうだ。」の後に続く単語が「京都へ行こう」と連想させるほどの市民権を得ている秀逸なコピーです。2センテンスに込められた力強さ、思い立ったら吉日、旅情を深く感じられる京都への誘いを強く訴求させる名作です。

電通出身の佐々木宏氏によるコピーですが、「第一志望は、ゆずれない」(駿台予備校)「ダメ。ゼッタイ。」(財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター)など数多くの名キャッチコピーを生み出しています。

◆「お、ねだん以上。」ニトリ

感嘆詞をうまく使った良い作例です。テレビCMでの軽快なコピーを聞いた方は多いでしょう。店頭での商品選びの場景がイメージ出来そうです。実際のニトリ製品はしっかりとしたものも多く、コピーを体現しているかと思います。

◆NO MUSIC,NO LIFE

英語のコピーですが、なじみ深いものになっています。
音楽を聴くことが生活の一部になっているのはミュージシャンだけではなく、全ての人に言えることを訴求しています。日本人が生み出したこのコピーはアメリカで、「大統領選挙のスローガンみたいで面白い」という理由で採用され、現在では世界的に使用されています。

◆試着室で思い出したら、本物の恋だと思う。

PARCOのコピーは女子なら共感してしまうような秀逸なコピーが多いです。
コピーライター尾形真理子氏が一連のコピーを手がけています。
非常に抒情性があり、ストーリーの一部を切り取ったかのようなコピーは女性ならではの感性で描かれていますね。女性とファッションの関係は切っても切り離せないモノがあり、常に異性の存在があり微妙に揺れうごくオンナ心をうまく表現しています。フォトグラファー蜷川実花氏が手掛けるグラフィックと相まって
女性的な世界観を醸成しています。
・今日は別人みたいなんて失礼しちゃうわ 嬉しいわ
・恋が終わるのなら、せめて夏がいい。
・悪い女ほど、清楚な服が、よく似合う
一連のシリーズを眺めていても面白いです。

「即行動」させる目的で書かれるのがセールスコピー

セールスコピーは製品やサービスを「売るため」に書くコピーで、サービスを享受する消費者に対して、どのようなベネフィット(利益)があるかを説明するためのコピーです。
製品の特徴や買うことによって得られるベネフィットを伝え、事実を印象的に伝えることによりサービスの売り上げアップを狙う施策となります。
ブランディングやイメージを作る目的のイメージコピーに対して、消費者に対して「即行動」させる目的で書かれるので売り上げや問い合わせに即直結させることを狙いとします。例を挙げてみてみましょう。

・簡単実践!○○をかなえる5つの方法
・警告!その○○、本当にあっていますか?
・有名インフルエンサーが推薦。本当に痩せられる○○
・たった○○円で人生が変わる魔法の○○
・月100万稼げる○○
・○○限定
・先着○○名様限定
・○○円以上お買い上げのお客様、○○をプレゼント

どこかで聞いたことがあるようなフレーズばかりではないでしょうか。
特に限定や~、先着~など、購入(問い合わせ)することで与えられるインセンティブはユーザの消費行動を加速させる傾向にあります。
このようなキャッチフレーズは消費者が、即、購入意欲を掻き立てられるようなライティングです。セールスコピーを書くとき、消費者に対してうまく欲求を引き出すために、対象となる顧客像を明確にマーケティングする必要があります。
対象が何を求めているのかを探り出し、最適なワードを組み合わせることが重要になります。
消費者が抱えている問題、解決したい方法、有効なベネフィット…などこれらを明確にマーケティングしたうえでコピーに落とし込む必要があります。

コピーライティングには明確な正解はない

イメージコピーもセールスコピーもコピーライティングに明確な正解はありません。いくら机上で自分なりに素晴らしいコピーが思いついたとしても、リリースすると思ったような効果が得られない場合もあります。
徹底的に市場をマーケティングし、ワードを吟味することが大切です。
トライアンドエラーを繰り返し、ベストなライティングを作り出しましょう。

参考になるオススメ本「売れるコピーライティング単語帖 探しているフレーズが必ず見つかる言葉のアイデア2000」