「80年代デザイン」の源流、メンフィスについて

80年代デザイン

ファッションや音楽などの分野ではリバイバルブームというものが時折訪れますが、80年代という時代はデザインの分野においても特に特徴的であったといえます。ビビッドカラーや特徴的な幾何学パターンを応用したデザインは現在見ても非常にインパクトがあります。
メンフィスデザイン

このようなデザインの起源はどこにあるのでしょうか。
この80年代のデザインの源流を生み出したのが、イタリアのデザイナー集団「メンフィス」であると言われています。
「メンフィス」は1981年に様々な国のデザイナーや建築家で結成され、その後のデザインの潮流に世界的に影響を与えました。

メンフィスの多くはイタリア出身のデザイナーで構成されていましたが、日本からは磯崎新、倉俣史朗、梅田正徳などが参加していました。

1981年にメンフィスは建築家でありインダストリアルデザイナーであったエットレ・ソットサスが中心になり、家具やテキスタイルデザイン展覧会を開きました。ここで発表された鮮やかな色彩や、うねるような形状の作品群が80年代デザインの始まりでした。
もともとは家具などのプロダクトが源流だったのですね。

メンフィスデザイン
メンフィスがデザインした家具
メンフィスデザイン
メンフィスが唯一大量生産(3,000脚)した椅子
メンフィスの中心人物であるエットレ・ソットサス
メンフィスの中心人物であるエットレ・ソットサス氏

メンフィスが展覧会を行うと、瞬く間にその自由で奇抜な作品群が多くのデザイン誌に取り上げられ、世の中のあらゆるデザインのテイストが変わっていきました。

ビビッドカラーが主流となり、幾何学パターンや未来的なイメージやラジカセ・エアロビなどのモチーフが80年代のイメージとして定着していきます。

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一方でメンフィスのデザインは「作りたいデザインを作る」という<ラディカル・デザイン運動>がもとであったので、奇抜・装飾的なだけで機能的でないデザインとして批判もされていました。

メンフィスが目指したデザインは簡単に言ってしまえば、1970年代のデザインの反発から生まれたものでした。
それまではディスコ風のデザインやサイケデリックなものが多かったのですが、ユーモアの欠如や実用的な美しさを求めるモダニズムに徹している点についての反発でした。メンフィスは機能性から離れた自由で攻めるような表現のデザインを目指したのです。

80年代というと日本ではアイドル歌手が多く誕生し、スキーブームなどがありますが当時のファッションなどをみると、とてもメンフィスデザインの影響を強く感じることが出来ます。

現在でも80年代デザインのリバイバルは引用という形で様々なところで見ることが出来ますので気になった方は調べてみてはいかがでしょうか。